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ニチアスが建材の耐火性能試験で不正を行っていたと国土交通省が発表したのは昨年(2007年)の10月30日のことである。その後、東洋ゴムや日本軽金属、YKK-APや住友スリーエムなどの大手メーカーにまで偽装があることがわかった。2008年1月25日に発表された国土交通省の実態調査の結果では、45社98件に不正の疑いがあるとされた。
メーカー側は改修費用を負担すると言っているが、施工箇所がわかっているような物件なら改修も可能だろう。しかし、仕上っている部分を剥がしてやり替えるとなると大変な作業である。マンションなどで使用箇所がわかったところで、既に居住されている場合などは、工事などほぼ不可能であるように思う。 しかしもっと問題なのは、施工時の資料が既に無く、どのメーカーの製品が使われているのかわからない場合である。さらに、施工業者が既に無い場合だってある。これは耐震偽装の比ではない。構造計算書は必ずあるから、後からでもチェックすることは可能だが、製品納入伝票などはそんなに長い間残していない。それに、偽装された製品は特殊なものでなく、普通に使われるような汎用品がほとんどである。どこでも使われている可能性はあるのだ。 建築設計者は建材を指定する立場にある。ということは、こういう製品を選んでしまった時に責任が発生するのだろうか。このことは重大な問題だ。知らぬこととは申せ、将来起こるかも知れない被害の拡大に手を貸してしまうことになるからである。こういう場合、法律的には過失になる。では、製品を選んだ時点での責任はどうなるのか? その問題についてKEN-Platzで秋野卓生弁護士がこのように答えている。
「建て主責任となる恐れも」秋野卓生弁護士(KEN-Platz)
一方、設計者はどうか。我々は大臣認定の真偽など今まで疑ったこともないから、わざわざ偽装材料など指定することなど決してない。設計業務は委託契約であるから、知らずに選定した場合責任が無いとの見解でほっとした。安い設計監理料の上、さらに面倒に巻き込まれたらたまったものじゃないというのが正直なところだ。 しかし、監督官庁は建築確認申請業務を大混乱させた国土交通省である。メーカー側の大臣認定にかかるコストを使用者に負担させるようなスキームを考え出さないとも限らない。こんな不祥事が起きると、ますます余計な負担が増えて、良いデザインの建築が建てにくくなるような気がしてならない。 |