2007年08月09日

京都の新景観条例 その後


2月5日付のブログで予想したとおり、京都の高層マンションの価格が上昇している。産経新聞夕刊(8月8日)にも同様の記事が掲載されていたのだが、京都の景観には大きな問題なので全文を引用しておこう。

京都市、景観条例を逆手に のっぽマンション価格高騰(iza)

 京都市で、眺望を売りにした「のっぽマンション」の価格が高騰している。建築物の高さなどを規制する新景観政策が9月にスタートするため、新たな高層物件が建てられなくなる地域が増えるからだ。現行基準で建築確認を「駆け込み取得」した新築マンションでは、上層階の価格が下層階の2倍にのぼり、「今だから提供できるプレミアム物件」を最大限にアピール。この影響で中古物件も値上がりしているという。新景観政策を逆手にとったビジネスに、市は「違反ではないが…」と困惑している。

 京都市の繁華街・四条烏丸地域に建設中の高級分譲マンション「サンクタス四条烏丸」。建設予定地は新たな景観条例により、9月以降高さ制限が45メートルから31メートルに引き下げられるが、このマンションは14階建てで高さ約45メートルの計画。平成21年に完成を予定しており、今年5月に現行基準で最終の建築確認を取得した「駆け込み物件」だ。

 12階より上の階層を「プレミアムフロア」と名付け、坪単価にして下の階層の約2倍の400万円以上で販売。9月以降、周辺では二度と建てられない高さだけに、絶好の眺望をアピールしている。

 すでに140戸中132戸で契約が成立。事業主のオリックス不動産(東京)の広報担当者は「上層階は部屋の仕様をハイグレードにしており、(条例と価格設定に)直接的な因果関係はない。ただ、規制前に建築確認が下りたので、通常の高層階のプレミアム感をさらに創出するのはデベロッパーとして当然」と説明する。

 こうした影響は、中古マンション市場にもじわじわと広がっている。不動産関係者によると、市内中心部では中古物件も、高層階部分の価格が軒並み値上がり。10〜14階部分を以前より1000万円程度高い価格で販売し、坪単価では、以前は150〜200万円だった物件が上層階では約1.5倍の価格設定となることが多いという。

 京都のマンション事情に詳しい不動産コンサルタントの天野博氏(59)は「景観政策を明確に意識して、9月以降に周辺に高いマンションが建たないことを利用した売り方。ただ、上層と下層で価格設定が2倍というのは、さすがに聞いたことがない」と指摘。さらに、「中古マンションでも『プレミアム現象』が起きているため、販売業者が強気の姿勢を見せている」と話す。

 一方、新景観政策を推進する市景観政策課は「既存の高層マンションの場合、9月以降に条例にひっかかるとしても違反ではない。価格設定はマーケットの問題で、市が指導できるわけではなく、コメントしようがない」としている。

結局、デベロッパーは、地域文化などになんの興味もない。オリックスの宮内氏は、ホリエモンや楽天ーTBS問題に関わっていることが取りざたされていたが、さもありなん。文化事業や都市デザインすら、彼らにとっては金儲けのネタでしかないのである。

それにしても、上層階の坪単価が下層階の2倍にもなっているとは驚きである。いくら高いところが好きなお馬鹿さんが多くとも、4〜5階程度の差では、京都の夜景に大差がないことがわからないだろうか。方角によっては、大文字の送り火が見えないことだってありえる。おそらく、カネ余りしている東京や海外の資本が、プレミアムと言う言葉に踊らされて買いあさっているのだろう。

だがこのようなことが続けば、地価の異常な高騰を招き、京都の町にも悪影響が出てくる。コミュニティーが破壊され、景観が破壊され、経済が破壊される。市は「価格設定はマーケットの問題で、市が指導できるわけではなく、コメントしようがない」などと無責任な態度のようだが、とんでもない。僕ですら、新景観条例が発表されたときに、このような事態を予想できたのであるから、もしも条例策定時に予想し、対応について考えていなかったとすれば、行政の大きな怠慢であると批判されても仕方がなかろう。京都市長の責任も重大である。

資本の論理で動いている輩に対して、文化への理解をいくら語っても仕方のないことは、バブルの時代に十分学んだはずである。資本には金で対抗するしかない。おそらく不動産の高騰に対して京都市が対抗できる唯一の政策は、固定資産税の購買価格での課税である。付加価値のインフレーションが都市景観政策のネックとなる訳であるから、土地・建物だけでなく、当然その部分にも課税すべきだ。高層住居を購入できるお金持ちには、きちんと税金を払ってもらいましょうよ、というお話である。


投稿者 kitazawa : 2007年08月09日 00:19 | トラックバック
コメント
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?