2004年12月29日

最近はやりの「WEB設計コンペ」


最近、WEBコンペという設計スタイルがその地位を確立してきている。数年前にこういったシステムが始まった頃には、建築主が顔の見えない設計者に信頼を感じることができるのかどうかが、大きな問題であったように思う。だが、インターネットが社会に抵抗無く受け入れられるようになるにつれ、インターネットに信頼感を持つ人達が増えてきたのだろう。また設計者側も、近年は仕事が少ないために、 かなりの労力を割いて応募するようになっている。それゆえに、建築主側にとっては良い案に巡り会う確率も増えているのかもしれない。

私の所にも、WEBコンペを開催している所から案内メールが良く送られてくる。多くの建築主は住宅メーカーではできない「自分の意志を込める」ことができる住宅を求めているようだ。だが、参加している設計者もまた、自らの思いを住宅に込めるのであり、決してそれらが一になることはない。たとえ近い考えに出会ったとしても・・・。それゆえ、実際に案を選ぶに際して、設計者との詳しいやり取りをしないで本当に良い案に巡り会えるのか? という疑問がわく。逆に、住宅を建てるということが、案の良し悪し以上に納得するプロセスの中にあるのであれば、コンペというスタイルを取らなくても良い事になる。WEBコンペとは、所詮はお見合いみたいなもので、設計案は釣書なのか?

家を建てることに決まった方法はないのだから、こうしたコンペも一つの方法だとは認めよう。だが、『「人と違う家!自分たちの理想の住まいに住もう!」という“熱き想い”から今回の家創りをご計画されました。そんなご夫婦の理想の住まいとは、「住宅系のTV番組が取材に来るような、建築家らしいハイセンスな家」』などという謳い文句で募集をかけてくる建築主やWEBコンペの主催者に対して、私自身は違和感を感じる。そして、多くのコンペ建築主が、これほどではないにしろ、心のどこかで渡辺篤に来て欲しいと考えているのではないだろうか。住宅が自分のものであることを、メディアによってしか確認できない心性は、まさにネット社会の縮図であり、ネットを通じたWEBコンペでこそ満足感が得られるのかもしれない。


投稿者 kitazawa : 2004年12月29日 01:01 | トラックバック
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