2010年09月03日

ハイサイおじさん


 今年の夏は異常に暑い。この炎天下に甲子園で野球をしている高校球児達の体力・気力には本当に驚くが、プロ野球でさえナイターでやるこの時期に、未来ある若者を過酷な条件下でプレーさせるのは合理的なことなのだろうか。精神主義が跋扈する現在の日本の体育教育(決してスポーツではない)の一端を見るようであるが、こうした風潮が体罰などが繰り返される原因なのではないかとも感じる。大会を主催するのは高校野球連盟であり文部科学省の所管特例民法法人であるが、日本相撲連盟の一連の事件をふり返ってみても、この役所が監督官庁として適切な指導などしているのか全く疑問である。

 この夏の大会で春夏連覇の夢がかかる興南高校の応援歌から「ハイサイおじさん」が消えた。歌の歌詞が高校生にふさわしくないとの投書があったのがその理由らしい。では、どこがふさわしくないのか。沖縄人でない僕は歌詞など全くわからなかったが、どうやら、酒飲みで女郎遊びしてるおじさんをからかう内容らしい。

 酒・女郎などとんでもない!一見まともに思える主張であるが、現在の若者の環境を考えてみたら的はずれであることがわかるだろう。街では麻薬が簡単に手に入り、援助交際という名の売春が堂々と行われている。さらに今の高校生は、ネットを通して善悪多様の情報を浴び続けている。いくら言葉狩りをしたって仕方がない。むしろ、酒・麻薬・売春といった行為が大人になった時にどのような結果をもたらすのかを、きちんと明らかにすることこそ教育的なことではないのか。

 青少年を健全に指導することは重要なことであると思うが、教育という名の下に一方的な思想を押しつけてはいけない。戦前の軍国主義を彷彿とさせるこうした画一性を、戦後はそれに反対する左翼が行っている。こうした大人の事情から青少年を守るのが国家の役割だと思うのだが、文科省は天下り先の所轄法人に対して全く指導的役割をはたしていない。

 せっかく、旧科学技術庁所轄のJAXAが「はやぶさ」という日本人に夢とプライドを与えてくれたヒーローを生み出したのだから、文科省のお役人も胸を張れるような仕事をして欲しいものだ。そもそも1900余りもの所管法人が僕達の役に立っているのかどうかから調べてみてはいかがだろう。

<後記>  第92回全国高校野球選手権大会は沖縄県代表興南高校が優勝した。夏の大会の優勝旗が初めて沖縄の地に渡る。決勝戦は大勝だったが、準決勝の報徳戦は5点ビハインドを逆転する接戦。実は「ハイサイおじさん」の演奏を再開したことで反攻を開始したのだった。
 現在沖縄をめぐる問題がかしましいが、沖縄のチームが春夏連覇したことは、戦後日本の一つの区切りとも言えるだろう。


投稿者 Rollin' : 2010年09月03日 17:07 | トラックバック
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