2009年11月28日

経済危機の跫音が聞こえる・・・


もうすぐ師走というこの時期に、世界経済は大きく迷走している。日本では、リーマンショック以降、自民党麻生政権の居座りという災難もあって、我々の生活は大打撃をうけた。ようやく民主党政権になってそのお手並み拝見となったとたん、急激な円高が進むことになった。

ドバイ・ショック 日本直撃(iza)

 ■円急騰 一時84円台
 27日の東京外国為替市場の円相場は、一時1ドル=84円82銭まで急騰、1995年7月以来14年4カ月ぶりの円高水準になった。アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ首長国政府が25日、政府系持ち株会社の一部債務について返済期日を延期するよう債権者に要請すると発表したことから、「ドバイ・ショック」が世界の為替相場を大きく揺るがせ、26日来のドル売りに加えてユーロも売られ、買いが殺到した円が独歩高の様相となったためだ。世界の投機マネーを吸い上げて現代の摩天楼を築いてきた「ドバイの夢」の終焉(しゅうえん)は、日本の景気を再び悪化させ二番底へと迷い込ませるのか。

 ■株価9000円割れ目前
 円相場は27日午後5時現在、前日比63銭円高ドル安の1ドル=86円15〜16銭。ユーロは2円92銭円高ユーロ安の1ユーロ=128円03〜07銭。東京株式市場も円高を懸念して日経平均株価の終値が大幅続落して9081円となった。
 ドバイ政府は、政府系持ち株会社ドバイ・ワールドと傘下の不動産開発ナキールの一部債務について、返済期日を少なくとも来年5月30日まで延期するよう債権者に要請する。枯渇しつつある原油の輸出に頼らず、外国資本流入をてこにしたドバイの成長戦略が昨年来の世界規模の金融危機によって完全に行き詰まったことが表面化した形だ。ドバイ・ワールドの債務は590億ドル(約5兆円)に上り、ドバイ政府や政府系企業の債務総額800億ドルの大半を占める。
 取引が活発な欧州の金融機関への悪影響が大きいとの観測からユーロが売られ、27日、円は一時1ユーロ= 126円台後半まで急上昇した。

 ■邦銀・ゼネコンが取引
 ドバイ・ワールドに対しては日本の金融機関では三菱東京UFJ銀行や三井住友銀行、みずほコーポレート銀行などが債権を抱え、大手ゼネコンでは大成建設、清水建設などが大型工事を請け負っている。
 26日来の急激な円高は、日本の実力を反映したものではない。金融危機の打撃を最も深刻に受けているのは日本だ。ドル売り円買いが加速したのは、最近の米連邦準備制度理事会(FRB)の議事録が24日に公開され、ドルの超低金利が長期化すると判断されたからだ。さらに日本はデフレ状態にあるため、物価変動を加味すると日米の金利差は実際の数字よりも大きくなる。ドバイ・ショックで売られたユーロと逃避先として円が選ばれたのは、単に消去法に過ぎない。

 ■輸出企業 ダメージ大
 日本の中核的輸出企業は、当面の円相場を1ドル=94円(日銀調査の平均値)と踏んでいたため、デフレに追い討ちをかけた急激な円高による打撃は甚大だ。トヨタは円高が1円進むと、年間の営業利益が約300億円減る。同様にホンダは120億円、日産は110億円、ソニーは10億円減るとみられている。10円高くなれば、その10倍だ。
 ドバイ・ショックの余波が今後どこまで円高を押し上げるかは不透明だ。ただ、7月の月例経済報告で「景気は持ち直しつつある」との認識を示した政府の見通しは、超甘かったことだけは確かである。さらに問題なのは、現在の日本にはそれこそ「政治主導による」経済の処方箋(せん)もなければ司令塔も存在しないことだろう。

数年前、日本の建設業界もドバイの魅力に取り付かれ、多くの企業が進出した。確かに、世界のセレブリティー相手の商売を前面に押し出したドバイの計画には、これからの世界を牽引してゆくような夢が感じられた。しかし、それは「金儲け」という目的を持った者たちの夢でしかなかったことに、多くの人は気づいていなかった。いや、気づいていたが、背に腹は代えられなったのかもしれない。

債務の返済期日延期の要請をしたナキール社は、「海のナキール・陸のエマール」と並び称せられるドバイの2大不動産開発会社のひとつだ。「パーム・ジュメイラ」という椰子の葉型の人工島を造成し、セレブ向けに高級ホテルの建設と別荘を分譲している。そしてその後も、「The World」「The Universe」といった世界地図や太陽系の形を模した人工島の建設計画を進めていた。ちなみに、ブルジュ・ドバイという824.55mという現在世界最高の高さの超高層ビルは、ライバルのエマール社が2009年末に竣工させる予定。

しかしながら、こういった壮大な計画も、砂漠の蜃気楼のように消えゆくかもしれない。というのも、巨大な富は安定した経済があってこそ維持できるのであり、その結果として消費や投資が行われるからである。少しでも不安定な要因が見えると、こういった資本は、突然手の平を返したように市場から出て行く。そうなれば、巨額の投資をして大儲けを狙っている者ほど、資金繰りが苦しくなる。今、ドバイは、このような破綻への転落の縁にいる。

日本政府は,バブル崩壊の痛い目に遭っているから、素早く関係のある金融機関やゼネコンに聞き取りをしているらしいが、はっきり言って、彼らもリスクを重々承知で仕事をしているのだから、たとえ損をしたって自分の責任だろう。それよりも、急激な円高のほうが日本国民全体に関わる重大な問題である。

このまま円高が続くと輸入品が安くなり、日本国内のデフレ傾向に拍車をかけることになる。そうすれば、国内企業の業績が悪化。雇用問題にも、大きく影響する。さらに、輸出産業はもっと深刻だ。ハイブリッドやEVといった最新テクノロジーで勝負しようとしていた自動車産業も、国外での売上を大幅に減らすことになるはずだ。

11月に発表された完全失業率は5.1%と前月比0.2ポイント上昇したが、完全失業者数は344万人と前年に比べると89万人増加している。また、早稲田大学大学院ファイナンス研究科の野口悠紀雄教授によれば、政府の雇用調整助成金を受けている企業内失業を換算すると、実質失業率は、アメリカ並みの9%を超えているということだ。有効求人倍率も過去最低のままであり、これから社会に出る若者にとっても厳しい時代である。

政府の行政刷新会議の作業グループによる事業仕分けが9日間の日程を終えて終了した。この仕分け作業が明るみに出した官公庁の無駄も多かったので、それなりに評価も出来るのだが、その判断基準があまりに成果主義であったことは否めない。こんな経済事情だから、成果の見えないところにはお金は出せないというのも分かるが、果たして人間は金だけで動くものなのか。政府は,そこのところをよく考えて政策決定をし、予算を組んで欲しい。

木枯らし吹きすさぶ街の中にクリスマスキャンドルの暖かさが感じられる、そんな年末を過ごしたいものだ。


投稿者 Rollin' : 2009年11月28日 17:59 | トラックバック
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